ボケと突っ込み。
これは漫才の基本スタイルだが、同じくコミュニケーションの基本ともいえる。
相手に話させるテクニックも大切だ!。
当たり前のことだが、会話は話すほうと聞く側がいて、これに聞いた側が反応漫才の場合、ボケ役が話題をリードし、その矛盾を相方が突っ込む。
その反応が手厳しい分だけ突っ込みのほうが目立つが、実は主役はボケ役であり、ときとして主役の座が入れ替わるから、見ていて聞いていて楽しめるのだ。
しかし、店の中では、主役と脇役は、どんなことがあっても入れ替わることはない。
どこまでいっても客のほうが主役で女のコは脇役。
女のコは主役である客をもり立てるのが仕事となる。
そこでどうしても女のコは、客から話題を引き出そうとする。
「どんなお仕事してるんですか」
「おいくつなんですか」
「誰かに似てるっていわれません?」
「結婚してるの」
と勢い、キミの話がテーブルの周りを駆けめぐる。
話の糸口を探ろうとする女のコの立場としては、どうしても仕方のないことだ。
ところが、モテる男はこの関係を上手に逆転させて女のコから話題を引き出すことができる。
「じゃ、キミはいくつ?」
「好きなタレントは?」
「いま、彼氏いるの?」
「好きな食べ物はなに?」
とTVドラマやファッション、私生活のことなど話題が何であるかは、キャバクラの猛者たちには関係ない。
とにかく女のコに話をさせること。
客が女のコに主役の座を譲ったかのように錯覚させるのだ。
つまり、聞き役に徹することが大切だということ。
何しろ、どちらが先に相手の情報をキャッチするかが相手を攻略する最短の手だて。
主導権を握ることになるからだ。
これからキャバクラに行って女のコに接するときは、テレビや雑誌のインタビュアーになったつもりになるといい。
優秀なインタビュアーは、一見、自分の意見を述べていそうだが、実は相手からのコトバに反応しているだけ。
上手に相槌をうちながら相手の意見や考えを引き出しているのだ。
その基本は、いかに、相手に気持ちよく話をさせるか。
答えやすい話題を投げかけるかだ。
最初は、たわいもない質問をしているだけで十分。
お互い、難しい話をしにきているわけではない。
こうしたやり取りをしている間に、女のコのノリや好きな話題が見えてくる。
これがちゃんとできて、はじめて気持ちのいい、リズムある会話が成立する。
ホントは客を立てて自分からテーブルをリードしなければならない、つまり接客をしなければならない立場の女のコに、逆におしゃべりを楽しんでもらう。
これがキャバクラでモテる秘訣といってもいいだろう。