沖縄の全寮制キャバクラに落ちていく本州の女たち
ダメなキャバ嬢が売られる先は、最果ての楽園だった!
人身売買
勤務が不真面目で稼ぎも少ないのに、ホスト遊びばかりして借金を増やす――そんな典型的なダメキャバ嬢は店にとってもお荷物となる。
だが、そんなダメキャバ嬢を「現金化」する定番の手段があるという。
「借金のあるキャバ嬢を中国に行かせて売春出稼ぎさせる方法が最近は増えてきてますが、今も昔も定番なのが、やはり「沖縄送り」(沖縄の全寮制キャバクラに放り込む)。歌舞伎町の未成年を沖縄に送ったキャッチが逮捕された事件なんかもありましたが、まあ、基本的に沖縄送りとは「本人合意の下の人身売買」ですね」
そう語るのは、都心の店の幹部Z氏だ。
どんなにかわいくても、頭が悪い・トークが下手・空気を読めないなど、キャバクラ向きでないキャストは、むしろ「沖縄送り前提」で採用することもあるという。
「地方出身で、頼れる親兄弟がいない女であることが条件です。かつ、同伴ノルマも達成できない女には、店の系列のホストクラブの体験チケットなんかを渡して、「自爆同伴」(お金を払ってホストに同伴出勤してもらう)モードにハマってもらう。売り掛けが数十万溜まれば、「沖縄フラグが立った」という状態。沖縄の全寮制キャバクラに専門のルートを持つスカウトに、最低20万円、最高100万円ぐらいで身柄を買い取ってもらう。月収3ケタも珍しくないこの業界で、20万円という時点で、どんな底辺の話かわかりますよね(笑)」
実は、この沖縄送りは、嬢にとってどん底までのノンストップ急転落の始まりだという。
事情に詳しいスカウトのF氏が言う。
「現地での生活は想像するほどヒドくないですよ。沖縄は家賃が安いから、寮っていってもタコ部屋じゃなくて、10畳くらいの広いワンルームが一人1部屋与えられ、エアコンも完備です。一応、逃げないように寮長のババァの監視が付くけど、基本は出勤管理とホスト遊びの監視しかしない。女に言わせりゃ、海は綺麗だし、ホストのレベルも意外に高い。ステーキは安くて分厚いし、暑いのに慣れれば、パラダイスだって思うみたいだね」
最終的には住民票を移して移住する
しかし、そう思うのは最初だけ。
実は沖縄の全寮制キャバクラでは、一定期間内に買取額を返済しなければならないという縛りがあることが多い。
その額は、とても短期間で稼げるものではないという。
客数は多いが単価が安く、しかも酒が強く、かわいい地元の沖縄のコもいるので、東京の大衆店ですら勝負にならなかったキャバ嬢は苦戦を強いられるというわけだ。
「観光がてら借金を返そうと甘いことを考えていた女はこれで沈没し、そのまま本島の各所にある「置き屋」や、立ちんぼ、車待機の本番デリヘルなんかに回されるわけです。ちなみに置き屋の場合、ショート20分で8000円で、当然、女の取りはこの半額。こうして彼女たちは1年足らずで売春婦にまで落ちる。沖縄の全寮キャバクラに売られたら、9割がそうなりますよ」(F氏)
だがF氏もZ氏も不思議に思っているのが、こうして沖縄送りから売春産業にまで都落ちした元キャバ嬢たちが、決して本州に戻ってこないことなのだという。
「借金を完済して戻ってくる女より、住民票を移して完全に沖縄人になっちゃう女のほうがはるかに多いですよ。実は沖縄っていうのは、ルーズでだらしなくて、トークがズブズブな女でも、風俗では月に10万円くらいは稼げる。それで生活できちゃうから、永住してしまうんですよ」(F氏)
ちなみに、沖縄送りを統括しているのは某広域指定暴力団といわれ、借金のカタに女を買い取らせる行為は、現在では法規制され、人身売買罪にあたる。
重大な社会問題にも思えるが、この人身売買が表沙汰にならない理由は、Z氏が言うように「本人と合意の上での取引」であり、売られたキャバ嬢の側にほとんど被害者感情がないからだろう。
沖縄のキャバクラと風俗は、近い将来、本州出身者ばかりになってしまうかもしれない。
店を利用した巧妙なマネーロンダリング
客は全員、詐欺師だった?振り込め詐欺グループ直営店!
資金洗浄
長引く不況の中、キャバクラ業界の価格競争はますます苛烈になる一方だ。
しかし、そんなご時世に、新宿・歌舞伎町のうらぶれた雑居ビルの一角で、1セット30分1万2000円、ドリンク1杯2000円以上という価格設定にもかかわらず、ひっきりなしに客がやって来るという店が存在するという。
「ただ、客のほとんどが、関東で5本の指に入る規模の振り込め詐欺グループの構成員たちでね……」
そう語るのは、昨年暮れまで同店でキャバ嬢として働いていたT子(25歳)だ。
なるほど、この不況下、高級店でバカ騒ぎできるのは犯罪者くらいのものというわけか。
と、思いきや、T子はこう続けるではないか。
「客も振り込め詐欺メンバーなら、店を経営しているのも振り込め詐欺グループのボスなんですよ。元々は普通のキャバクラだったんですけど、詐欺で得たおカネを店を利用してマネーロンダリングするためにボスが買い取ったんです」
キャバクラでマネーロンダリングとは、にわかには結びつかないがその仕組みはこうだ。
「その振り込め詐欺グループは、ボスの下にいくつもの「支店」と呼ばれるチームに別れたピラミッド型の組織編成になっている。そして、そのそれぞれの支店が、ボスから与えられたマニュアルと個人情報が記載された名簿をもとに、振り込め詐欺を行っていたんです。そして支店長は、詐欺によって得たカネのうちの一定額を、その店で使うことを命じられていたんです。もちろん、使ったカネは、店の収益というクリーンなおカネとなってボスの手に渡るというわけ。支店長たちは、店で週に最低200万円使うっていうのがノルマらしい。キャバクラの原価なんて2割くらいのもんですから、週に1000万円の売り上げがあれば、800万はボスの手に渡ると思う。支店のいくつかは摘発を受け、かなりのメンバーは逮捕されたんですけど、ボスに捜査の手が伸びることはなく、まさに濡れ手で栗状態でしたよ」
知らずに一見客がお店に入ってしまう
逮捕された詐欺メンバーは「稼いだカネはキャバクラで使った」と供述すれば、警察もお金の行方を追うことは困難になるというわけである。
事実、新聞報道を見れば、過去に検挙された振り込め詐欺グループの少なからずは「詐取した金はキャバクラや地下カジノで使った」と供述している。
彼らがお金を使ったのも、実際はこうしたマネロンキャバクラだったのかもしれない。
ところが、T子によれば、詐欺メンバーにとっては、こうしたキャバクラを使うのも、なかなか気が重い業務だったようである。
「周りから見ればキャバクラで遊んでいるだけですが、はっきり言ってみんなうんざりしていましたね。女のコの接客だって形だけのものだし、第一、キャバク嬢のほとんどは、ボスや上層部のお手つきで下手に手を出せない。 とにかく早くノルマの額を使って店を出たいって言うのが本音だったでしょうね。下っ端はドンペリを頭から浴びせられたり、ナポレオンを一気飲みさせられたりして、救急車で運ばれた人もいて、かわいそうでした」
ただし、ハプニングも起こる。
店は周囲に怪しまれないよう、表向きはごく普通のキャバクラとして営業していたため、事情を知らずに迷い込んでくる一見客が稀にいるからだ。
「警察に通報されると困るので、一見客に絡んだりするヤツはいませんでしたね。でも、どう見ても周りはみんなフツーの人たちじゃありませんから、1セットを無言のままやり過ごし、コワゴワと退散する人がほとんどでした。店側ももちろんボッたりせず、明朗会計でした(笑)。そもそも店は風俗営業許可も取っていたし、深夜1時にはおとなしく店を閉めてました。税務申告もちゃんとやっていたとのことで、表向きは優良店でした」
ちなみにこの店は、現在場所を変えて、都内某所で一般のキャバクラを装いながら営業を続けているという。
知らない店に飛び込みで入る際には、客層や黒服を注意深く観察し、振り込め詐欺グループのマネロン用の店でないかどうか判断したほうが良さそうだ。
シャブで飼い馴らし、黒服が色恋で繋ぎ止める!
卑劣かつ巧妙! ナンバー嬢引き止め工作の最前線!
辞表提出
キャバクラ店にとって、文字通り「看板娘」である人気キャバ嬢たち。
高級店に君臨するナンバークラスともなれば、1人で月に数千万円売り上げるキャバ嬢も存在する。
そんな稼ぎ頭が退店するとなれば経営上、大打撃となる。
それは店の死活問題に直結する問題なのだ。
そんな招かれざる事態を避けるため、店側は人気上位のキャバ嬢に対し、退店させないようあの手この手を尽くす。
引き止めのための手段は、ボーナスや海外旅行などの賞与がメジャーだが、マリ(21歳)がかつて働いていた福岡・中洲のキャバクラでは、とんでもない、特別手当をナンバー嬢に与えていたという。
「オーナーがもろヤクザの店だったんですけど、ナンバー嬢にシャブを無料で支給していた。私はもらえなかったけど(笑)、かなり純度の高いモノだったらしく、オーナーは、「うち辞めたらもう、こんなのは手に入らないよ」っていつも言っていました。特にナンバー1だったコはドハマりしちゃって、いろんな店から引き抜きのがあったみたいなんだけど、彼女にとってはおカネよりシャブのほうが良かったみたい。脇目も振らずその店で一生懸命、働いてましたよ」
キャバ嬢をシャブ漬けにして管理するとは、開いた口が塞がらない。
一方、キャバ嬢の退店は、男が影響していることも少なくない。
名古屋・栄のキャバクラで働くイヨ(23歳)は、女の幸せを握りつぶしてでも店にとどまらせようとする無慈悲な引き止め術を目の当たりにした。
「ナンバー2だったコが、突然、店を辞めると言い出した。彼女は、店の客と付き合っていたのですが、その男から「結婚相手として親に紹介したいから、その前に店を辞めろ」と言われたとか。ところが、店からすれば、売り上げの4~5分の1は彼女が上げていたので、辞められてはたまらない。そこで店長はなんと、店の別のキャバ嬢に金を渡し、そのイヨの男に接近して誘惑し、仲を引き裂くよう指示したんです。この別れさせ工作は見事に成功……だったのですが、同僚キャバ嬢に男をとられたことがよほどショックだったらしく、イヨはうつになって売り上げは激減、ナンバーの座から転落した。結局、店を辞めてしまいました…」
知り合いにキャバ嬢を襲わせる方法も
このように、男との縁を破談にして引き止める店もあれば、逆トラップよろしく、色仕掛けで嬢を繋ぎ止める店もある。
六本木のキャバクラで黒服として働くS氏は、人気キャバ嬢の引き止め策の赤裸々な実態を明かす。
「自分で言うのもなんですが、うちの男性スタッフは、そのへんのホストなんかよりもイケメン揃い。オーナーが男性を採用する際、顔で選んでるからなんですが、それにはある理由がある。普通、キャストと黒服が男女関係になるのは御法度ですが、うちはむしろ奨励されているんです。実は僕らには、ナンバー嬢を口説き落として店に繋ぎ止めるという、特別任務がある。売り上げトップ5までのナンバー嬢は、すべてスタッフと肉体関係がありますよ」
客を籠絡してお金を使わせるキャバ嬢を、さらに籠絡して管理するのだから、ネオン街の食物連鎖と言うべきか。
しかし、もっと直接的に、卑劣な脅しを用いて嬢を引き止める場合もある。
東京池袋の大衆店の元黒服・Oさんは言う。
「就活のために辞めたいって言ったナンバー嬢に、「内定取れても、お前がキャバクラで働いてたことを会社にバラすから」と脅してましたね。もっとヒドかったのは、店が終わったあと、知り合いに泥酔客を演じさせてナンバー嬢に絡ませる方法。待機してた黒服が登場して、暴漢をボコボコにするんですが、後日、嬢に「ヤクザの関係者だった、治療費を要求された」と言うんです。共犯関係を構築してしまえば、嬢は逆らえないので、しばらくは店を抜けられなくなりますからね」
一見、華やかなキャバクラの世界だが、大金が動くだけに、裏では人身売買さながらの労働契約がはびこっているようだ。
週末だけ上京して都内ネオン街に働く壌の実態!
北関東、東北、甲信越……から遠征中!OL兼業キャバ嬢の実態と攻略法!.
「高度なスキルトークができる」「プロっぽさのなさが逆にプロっぽい」など、一部で絶大な人気があるのがOL兼業キャバ嬢。
平日の日中は一般企業の社員として働きながら、週末限定でキバ嬢に転身するのだ。
だが、実は都内の兼業キャバ嬢には「地方遠征組」が結構いることはあまり知られていない。
遠征組が激減
「キャバクラの売り上げを決めるのは、なんだかんだ言って結局、キャストの資質なんです。 一般職OLは普段、実社会で働いているので、 顔はそこそこでも頭が回る。 バカなキャバ嬢とはつく客の質が違うし、指名率も違う。 顔は人並みでも馬並みでも、採用する価値はある。 高い交通費を払っても惜しくないということ」
そう語るのは、東京赤坂のミニクラブ店長・A氏。
交通費と言っても極上クラスは新幹線代、中級クラスは相乗り送迎と差はあるが、驚くべきは地方速征キャバ嬢たちのバリエーションの豊かなこと。
そして、想像以上に遠くから飛んで来ていることだ。
「各々キャラが立ってます。例えば六本木・赤坂の例では、客と一緒に投資の研究をできる高崎(群馬県)からのキャバ嬢や、食品メーカー勤務で英語ペラペラな宇都宮(栃木県)の娘。
店のHPのWEBデザインまでやっちゃうコ、資格10個持ちのインテリ嬢など、単なるナイトワーク志向の女とは全く属性が違うコがいる。エリアは宇都宮、高崎、前橋(群馬県)、甲府(山梨県)からの遠征組が一番多いですね。北関東からは、東北道や関越を使った送迎カーによる出勤がメインです」(A氏)
しかし不況が長引くなかで、こうした遠征組は減ったという。
もともと、福島や宮城方面からの遠征はレアケースだったが、週末の「1000円高速」の終了が打撃となった。
さらに北関東の遠征組には自動車関連企業のOLが多く、この夏は節電シフトで土日出勤が確定し、兼業が厳しくなったのだとか。
「短期的には、遠征組は激減してますが、今後、不況により、増えてくると期待する向きもあります」(同)
では、遠征組のOL兼業キャバ嬢の攻略方法はどうか。
群馬県の某市より毎週末、六本木に上京して働くナツカ(23歳)に聞いてみよう。
「まずキャバが本業なら、地元店に勤めるわけで、稼げるから東京に来ているってわけじゃないですね。実際、私の場合は土曜のみか金土出勤で、基本給が20万。指名と同伴入れても25万にはいかない。遠征組はあまりガッついてないコが多いと思います」
週末だけで25万円を稼ぐのに、サラッと「稼いでない」と言われると一瞬引いてしまうが、攻略のキモは、実は出勤と帰宅時にある。
「金曜の夕方に群馬の会社の近くまで車で迎えに来てくれての同伴だったら御の字。通常は金曜夜に上京だけして、出勤せずにビジネスホテルに泊まり、翌日の昼まで寝てから都内で少し遊んで出勤っていうパターン。土曜の夜に仕事が終わって直帰しないで、クラブに遊びにいったり、日曜の昼ぐらいまで都内で買い物したりするんです。だから、そういうスタイルに合わせて、土曜は昼から都心で遊んで同伴とか、帰りに群馬まで送ってくれることを前提にロングアフターするとか。こういうのが相当、ポイントが高いですね。実は群馬あたりのOLは、別に兼業の仕事がなくても週末都心に出て遊ぶコも多いし、私なんかも遊びに来てたときたまたま見た求人誌経由で面接を受けた。私たちのペースで一緒になって遊べる人がいい」
ツルっぱげおじさんを逆指名?
一方、山梨県内から中央高速を使って遠征しているニナ(20歳)は、本業が飲食チェーン本社の総合職。
求めるものも全然違う。
「お仕事しつつ、異業種交流という感覚が自分の中にあるんで、アフターでもある程度、飲んだらカラオケっていうコースの客には魅力を感じない。仕事について、とことん熱く語れる人なら、それも自慢話じゃなく勉強になる話ができる人なら、正直ツルっぱげのおじさまでも逆指名お願いしたいぐらい(笑)」
こうしたビジネス人脈を広げようという視線は、ニナの仲間のOLキャバ嬢にも見られる傾向だという。
「私たちのような遠征組は、お店からすればあまりおいしくないと思うんですよ。お茶汲みOLさんはよっぽど可愛くないと採用されてないですね。結構、本業もバリバリ仕事をするタイプのコが多いし、意外に堅めの客とゴールイン目的の、婚活嬢もいます」(ニナ)
キャバクラ遊びに飽きた御人は、遠征組を指名してみるのもいいかもしれない。
一味違った接客が楽しめそうだ。