ファースト・メールはこう書け
個性によって十人十色のメール文
メール文というものは、本当に書き手の性格やら、その時の気分といったものが、よく出てくるものだ。
内容的には同じものでも、書く者によってその雰囲気がまったく違ってくるのだ。
「十人十色」とはよく言ったもので、一人一人が、自分なりの文体というものを持っているのだから、読んでいるだけでも楽しくなってくる。
このようにメール文というものは、少なくとも本人でしか書けない性格を持っている。
メール文というものは、本人しか書けない雰囲気というものを持っているから、仮に定形のメール文をコピー&ペーストしたってダメ。
つづきの文章がチグハグになって、あとが続かなくなってしまう・・・。
しかし、そうは言っても、とりあえずどんなメール文を書いたらよいのかといった見本が必要だろう。
そこで、いくつかメール文例をご紹介しようと思う。
これを読んでいただければ、どのようなことを書けばよいのか、どのくらいの水準の文章が必要なのかといった疑問が解決するはずだ。
ただし、この文章はあくまでも「他人の文章」であって、決して「あなたの文章」ではないことを肝に銘じて欲しい。
これをそのままタイピングして出したとしても、それ以降のメール交換でボロが出てしまって、いずれ自然消滅になってしまうのがオチである。
あくまでも参考として読んでもらった上で、自分なりの活きたメール文を書かれることを願っている。
ゴミ箱直行メールの添削例
まずは典型的なゴミ箱直行ファースト・メールというものがどんなものかご紹介しよう。
これを読んだあなたは、もしかすると苦笑いされるかもしれない。
しかしちょっと待って欲しい。
実はこういったファースト・メールというのは実に多いのだ。
あなたの書いたメール文にも、これと共通する部分があるかもしれないので、ご用心ご用心。
MMと申します。
横浜に住む、45歳のフリーターです。
最近インターネットを始めたばかりで、いまだにメール交換の相手もいなくて、寂しい毎日です。
趣味は映画とスポーツ。
映画は新作洋画が好きです。
でも、一人では映画館には入りにくいので、最近は専らhuluばかりです。
月に40本は見ていると思います。
劇団にも入ってしまったくらいです。
よろしかったら一緒に映画に行ってくれると嬉しいのですが。
それと、僕は割合何にでも興味を持つ方です。
もちろん、エッチも大好きです(笑)
性格は優しい方だと思います。
もし私に興味を持ってもらえましたら、お返事下さい。
よろしくお願いします。
これをもらった女性の方ではどう思うだろうか。
女性の立場で想像してもらいたい。
とまあ、こんなところだろう。
では、具体的にどこが悪いのだろうか。部分ごとに検討してみよう。
「はじめまして。MMと申します。横浜に住む、45歳のフリーターです」
* * * * *女性は貧乏が嫌いだと思うべし。
いきなり45歳でフリーターと告白しても、彼女から貧乏そうな甲斐性なしと思われるだけだ。
「フリーター」といった貧乏を連想させる言葉は使わないようにしたい。
ものは言いようで、「外食関係の仕事」に替えるだけでも救われる。
「最近、出会い系サイトを始めたばかりで、いまだにメール交換の相手もいなくて、寂しい毎日です」
* * * * *女性は「何か私を楽しませてくれることないかしら」という気持ちで、あなたのメールを読んでいることを忘れずに。
「寂しい」だけの男では、何の期待感も持てない男という感じに理解されてしまう。
だから「寂しい」といった言葉はファースト・メールではタブーだと思って欲しい。
「趣味は映画とスポーツ。
映画は新作洋画が好きです。
でも、一人では映画館には入りにくいので、最近は専らhuluばかりです。
月に40本は見ていると思います。
劇団にも入ってしまったくらいです」
**** *ファースト・メールの良否を決めるのは、この自分の趣味・興味の紹介部分。
ここが女性から見て魅力のあるものになっていないと、彼女の気持ちを引きつけるのは困難だ。
新作洋画のビデオを月に40本以上見ているというだけでは、彼女は何の魅力も感じないだろう。
映画ネタならば、ネットでいくらでも情報を集められるのだから、もっと目を引く新鮮な内容のものを提供したい。
おまけに、肝心の演劇志望については、たったの1行だけしか触れていない。
この部分は書きようによっては、とても魅力的なセールスポイントになるだけにもったいないことだ。
量的にも充分な書き込みがあれば、この部分だけで10行以上にはなるはずだ。
「よろしかったら一緒に映画に行ってくれると嬉しいのですが」
* * * * *ファースト・メールで対面デートのお誘いは禁物。
いきなり誘われても彼女の方で困るだけだ。
ナンパメールと思われたらそこで終わってしまうので要注意である。
「それと、僕は割合何にでも興味を持つ方です。
もちろん、エッチも大好きです(笑)」
*** * * 「エッチも大好き」などと書こうものなら、彼女にとってはもうセクハラメール。
男の感覚でつい気軽にこうしたことを書いてしまうようだが、この一言で終わってしまうほど、強いマイナスイメージだと思って欲しい。
ファースト・メールでは、ひたすらいい人モードでないと相手にしてもらえなくなってしまう。
「性格は優しい方だと思います。もし私に興味を持ってもらえましたら、お返事下さい。よろしくお願いします」
* * * * * ファースト・メールで大切なことは、彼女から「この人にお返事を出そうかな」といった気持ちを引き出すことだ。
それには返事に対する情熱はきちんと示しておきたいところだ。
結びの部分が「もしよかったらお返事下さい」といった弱い表現では、彼女としても「ごめんなさーい」となりかねない。
以上、部分的な問題点について触れてきたのだが、全体を通して読んでみても、いかにもインパクトの乏しい文章だ。
原因の一つにあまりにも短いことがあげられる。
大体、自分の趣味・興味を充分書き込んでいれば、全体で30行くらいにはなるはずだ。
もちろんただ、だらだらと長ければよいといったものではないのだが、ある程度の長さを持ったメールならば、彼女の方でも「この人、一生懸命書いてくれたんだなあ。お返事出さないと悪いかしら」という感じで受け止めてくれるものなのだ。
それでは、このMM氏のメール文はどのように直したらよいのだろうか。
ご参考までに、コピー&ペースト用ファースト・メールフォームとして、修正したものを次に載せておこう。
コピー&ペースト用ファースト・メールフォーム
ファースト・メールアタックには、パーセンテージゲームの一面がある。
ある程度の返事の数を期待するならば、それなりに送る数を増やしておきたいところだ。
しかし、そうはいっても、女性一人一人にオリジナルメールを書いていたら時間がいくらあっても足りるものではない。
そこで、通常のファースト・メールアタックでは、あらかじめ作っておいたファースト・メールフォームのコピー&ペーストを最大限活用しようということになる。
ここでは、前述のMM氏のゴミ箱直行メールの修正版として、メール・フォームを作ってみた。
ちなみにメール文中の「***」の部分は、相手に応じて書き込む部分である。
では初めに簡単に自己紹介します。
僕はMMといいます。
45歳で、東京の中野に住んでいます。
今は外食関係の仕事をするかたわらで、都内の某劇団に所属して演劇の勉強をしている毎日です。
劇団所属といっても、まだまだ「役者の卵」。
最近では、東宝系でロードショー中の「おっさんずラブ」に、限りなくエキストラに近いチョイ役で出演しています。
僕のスナップ写真を添付しておきましたので、それを片手に映画を2、3回見てもらえば、僕が見つかると…思います(汗々)
役者志望ということで、趣味もインディーズ系の公演を見に行ったり、映画をみたり…..
特に邦画は演じる方の眼でも見るせいか、2倍楽しめるのでお気に入りです。
でも本当は新作洋画が大好き。
娯楽大作はほとんど見てしまいます。
何しろ、字幕抜きに見れたらいいなということで、
英会話教室に通ってしまったくらいで…
あと趣味といえば、ドライブとかスポーツとか。
スポーツではピラティス。
ちょっと照れくさいのですが、ピラティスはリズム感を養うのにもってこい。
しかもエクササイズの後って、不思議に発声もよくなるので毎週通っています。とまあ、こんな感じの僕です。
出会い系サイトの方は、まだ始めてから半年くらい。
エンターテイメント関係のWEBとかは、よく見ますが、出会いの掲示板でメールを出すのは初めてです。
演劇関係以外の友達ができれば嬉しいなと思って、* **さんにメールを出させてもらいました。
きっと、もう山ほどメールが届いていると思いますが、
もし差し支えなかったら、いろいろな話のできる友達になってもらえればと思っています。
明日は秋の公演の打ち合わせで、帰宅が遅くなるのですが、
もし***さんからのお返事が届いていれば、
疲れなんか、吹っ飛んでしまうのですが。
よろしかったら * * * さんの趣味の話を聞かせて下さい。
それでは、こんな僕ですがよろしくお願いします。
***さんのお返事を楽しみに待っています。
MM
この30行程度のフォームでも、ゴミ箱直行メールから受けるMM氏のイメージとは、比べものにならないと思う。
もし、出会いの掲示板の彼女のプロフィールから、趣味についてなどの情報がわかるようならば、このフォームにさらに10行くらい追加してあげるとグッとよくなる。いくらフォームを使って効率的にとはいっても、やはり手間暇かける気持ちは欲しいものだ。
ここ一番の一本釣りファースト・メール
出会い系掲示板を見て回っていると、「この女性からは何としても返事がもらいたい」と思うようなことがある。
こういった掲示板のプロフィールやメッセージがとても魅力的という女性はそう多くはない。
ある程度、彼女の情報がわかっているだけに、こういう場合にはあえてファースト・メールのフォームに頼らずに、「彼女のためのオリジナルファースト・メール」を書いた上で一本釣りにかけるのがお勧めだ。
ここでは、そんな一本釣りファースト・メールの例をご紹介しよう。
突然のメールでごめんなさい。
プロフィールの趣味の欄を見ていたら、僕と同じ水泳が出ていたので、ついメールを書いてしまいました。
出会い系サイトを始めてから、そろそろ1年になるのですが、
こうやって、あなたの名前を知ったのも何かの偶然……
できたらお友達になってもらえないかな、といった気持ちで
このメールを書いています。
とりあえず、簡単な自己紹介を書きますね。
名前はKKといいます。30歳で身長は170㎝。
仕事は食品メーカーで商品開発の担当です。
今は横浜市の港北区に一人で住んでいます。
小さなマンションで、恥ずかしながら賃貸。
でもペットを飼えない他は、だいたい満足しています。
外見の方は誰にたとえたらよいのかわからないので、
とりあえず、写真を添付しておきました。
御覧の通りの普通の男です
はYYさんと同じ水泳で、車で10分くらいの所にある
スポーツクラブに入っています。
ここは、クラブといっても横浜市も参加しているので格安。
はじめはちょっと恥ずかったのですが、泳ぎたい一心で
思い切って去年入会しました。
もっとも泳ぐといっても、僕の場合は背泳ぎ専門で…
おかしな話なのですが、平やクロールは全くダメなんです。
仰向けになってプカプカ浮かびながら泳ぐといった感じで
はなはだカッコ悪いです。
それでも、泳ぎ終わったときの心地よい疲労感と、
心の満足感が大好きで、毎週通いです。泳ぎ=海ということで、最近はダイビングにも興味があります。
子供のころから海の中で魚たちと泳いでみたいなどと思って
いたのですが、ダイビングというと、ちょっと敷居が高い
感じがして..……
それが、最近友人の一人が資格を取ったので、現在彼から
情報収集中です。
彼が言うにはダイビングは意外に簡単ということですが…
背泳ぎ専門だと問題ありかなあ(笑)。
YYさんはどう思います?でも他の趣味と違って、水泳って、なかなか話題にできる人が
まわりに見つからないのが残念です。
YYさんを見つけて急に慣れないメールを書き出したのは、
YYさんになら水泳の話をできるかなあと思ったからです。
きっと、もう山ほどメールが届いていると思いますが、
もし差し支えなかったら、水泳の話のできる友達に
なってもらえればと思っています。
少し長いメールになってしまいましたね。
あらら、もう夜中の1時です。
書き慣れないせいか遅くなってしまいました。
明日はちょっと寝不足出勤だなあ(笑)。
でも、もし明日帰宅してYYさんからのメールが届いていれば、
今夜のちょっとした寝不足も、一気に吹き飛びそうです。
それではお返事を楽しみに待っています。
KK
彼女のプロフィールに「水泳」が入っていれば、こんな感じでオリジナルメールをおこせると思う。
だいたい女性の方に届いているメールは、いかにもメールフォームをコピー&ペーストしただけといった量産メールであることが多い。
未熟な量産メールに飽き飽きしている彼女にとって、このような一本釣りファースト・メールはとても新鮮に見えるはずだ。
このちょっとした違いが、メールの読み手の姿勢を変えてくれる。
ここが一本釣りファースト・メールの狙い目だ。