ネットナンパなんてものには、まったく興味すら示していなかったオレがハマった!
今、ふつうのオンナを確実に落としたいのなら、何はともあれ出会い系サイトしかない!
インターネットの世界に出会い系サイトと呼ばれるものが数多く存在する、ということはオレも以前から知ってはいた。
だが、掲示板などにメッセージを残すナンパ術は、結局のところ労多くして何とやらで、最終目的を達成するためには効率が悪いのではないか?
という疑念を捨て去ることができず、実際にその手のサイトを除いてみる機会がオレに訪れることはなかった。
そんなオレに、ひょんなことからこの記事の執筆依頼が舞い込んだ。
確かに効果を疑いはしていたものの、そっちの世界自体に興味を持っていなかったわけでもなかったオレは、「取材のため、取材のため」と、自分に対する言い訳を呪文のようにつぶやきながら、その世界へと旅立がったのだった!
ナンパのパラダイスか?
驚くほどオンナが落ちる出会い系サイト!!
オレが飛び込んだ先は、ハッピーメールというサイトだった。
出会い系などのキーワードで検索し、リンクをたどって着いた先は、なかなかに人気のあるサイトだったようだ。
見ると、掲示板はかなり繁盛している様子がうかがえる。
ここで、知らない人のために簡単に掲示板システムを説明しておこう。
そこにはまず、掲示板がいくつか用意されている。
人気のサイトの場合はたいてい目的別で何種類かに分類された中に、それぞれ掲示板が用意されているパターンが多いようだ。
肝心なのは、いくらたくさんの掲示板があって人が多く訪れていようとも、自分がメールしないことには何も始まらないということ。
掲示板の内容を確認し、気になる女のコからの書き込みがあれば、メッセージを送るのだ。
人気サイトにもなると、掲示板の書き込みは時間帯によってはかなりの数なのだ。
1時間あたり数百件にのぼる書き込みがあることはザラだ。
ウェブブラウザの表示を頻繁に「更新」し、常に最新の状態を把握。
事前に釣りコメントを用意する。
気軽に話しましょう。
のようなさわやか系から、「エッチな気分の子おいで」、なんて感じのエロコメントを用意する奴まで様々だ。
結局のところ、自分が何を望んでいるのかを間違いなく伝えるコメントの方が、後々のことを考えるといいのだが・・・。
何れにしても、この釣りコメントはメールでいえばタイトルに当たる部分。
このコメントをどんなものにするかで、ゲットの確率は大きく変わってくると考えてもいいだろう。
コメントはくれぐれも心して考えて欲しい。
初めての苦い経験
さすがにハナから上手く行くわけもない
そんなこんなでオレが初めて掲示板書込にチャレンジしたのは、金曜日の深夜2時過ぎだった。
当然だが、まだ右も左も分からないオレ。
今にして思うと無難すぎてインパクトに欠けるキライのあるコメントったが。
ニックネームはまあテキトーな名前で済ませることにした。
ログインして「今からあそぼ」という掲示板の女のコにメッセージを送ってみた。
待つこと30分ほど。
初めての人間にとってはなかなか辛い待ち時間だ。
このままずっと待ち続けていて、いったいメッセージが返ってくるものなのか?
何も分からないその時のオレは疑心暗鬼に陥りそうになっていた。
だその時!
メッセージの返信が来た。
その名前はサナ。
サナ「こんばんは」
オレ「こんばんは!」
サナ「おいくつですか?」
オレ「39だけど……。サナは?」
サナ「21歳です」
ってな感じで会話は進む。
相手の様子を窺いながらも徐々にお互いのことを探り合っていく展開が、なんとも淫靡な雰囲気を創りだしているような気がしたのは、オレの気のせいだったろうか?
サナは都内の電機メーカーに勤めるOLだという。
オレ「ところでさ、話変わるけど、サナは何が目的でメッセしてるの?やっぱり最つぶしって感じなのかな?」
サナ「そう暇つぶし」
オレ「ああ、そうなんだ?」
が、突然非表示に。
どうやら、ハッピーメールの「見ちゃいや登録」という機能を使ってブロックされたようだ。
ひとり惨めに残されたオレ…。何も告げずにブロックするなんて、人間のクズだ!とか何とか、その時は怒りにまかせ思ったものだが、よく考えると自分が悪いのだ。
釣りコメントに、自分がしたいと思っていることをハッキリと書いていなかったから。
だから単純に気軽に話をしに来たサナが、敏感にオレの下心を読み取り出ていったのは当然だったのだ。
釣りコメントを研究して自分だけのネットナンパ術を手に入れろ!
ではどんな釣りコメントを用意すればいいのか?
オレはその後しばらくの間は実験に走った。
どんなコメントを用意すればオンナが食い付いてくれるのか。
それだけをひたすら探り続けた。
結論として掴んだものはいくつかあるのだが、ここではいちいちそれをあげつらうことはしない。
読者諸君はそれぞれ自分で試行錯誤しながらそのプロセスを楽しんでいただきたい。
ただひとつ、恐らくこの世界を知らない人間にとっては思いも寄らないことなのだと思うのだが、モロにエロ系の釣りコメントを用意していても女は入ってくる!そういうことを望んで いるのは、何もオトコばかりではないのだ。
しかも、いかにもふつうのオンナたちが、匿名性に守られたやりとりで 安心しているのか知らないが、とんでもなく大胆なエッチぶりを見せてくれたりもするのだ。これはホントにたまらない!
自分がエロ系の釣りコメントを用意する場合の注意点としては、どこまでを望んでいるのかハッキリと示すことが肝心なのだが要するに、はっきりと釣りコメントにはTELでHしよう!などといったコメントを用意しておくべきだ。
さすがにテレフォンセックスの場合は抵抗を覚えるオンナも多いようだが、経験上言わせてもらうのなら、それでもオンナは必ず来る!
そういったコメントを掲げずに、会話が盛り上がった後でテレフォンセックスを望んだ結果、相手が合意してくれずに逃げられた、となるよりはマシだと思うのだが、どうだろうか?
ただここでひとつだけ注意して欲しいのが、ネット世界に暗躍する(?) オカマ、いわゆるネカマの存在だ。
ハッキリいって、メッセで相手をしている人間がネカマであったとしても、それを見破る手段はほとんどない。
大抵の場合は、最後の最後、テレフォンセックスに移行したところで、相手にかけてみるとオトコの声だったり、ラインIDを教えたらワンコールですぐ切れて、それっきりだったりというような目に遭って、初めてそれがネカマだったと知らさ!れるものなのだ。
しかも、ネカマが 一番からかいたくなる釣りコメントは、テレフォンセックスを匂わせて いるものだというから、気を付けて欲しい。
ま、オレ自身も何度も痛い目に遭っているからこそ、こんなことを言えるのだが。
それにしても、オレのラインIDが、どこでどうネカ マの野郎に悪用されているのか考えと、恐ろしくて夜も寝られないのだが …。
さらに釣りコメントによる実験を 重ねたオレは、意外なコメントが美味しいということに気付いた。それ はこういうものだ。
軽くおしゃべりしよう(41歳 既婚)
実は既婚者であるオレは、最初のうち、なんとなく既婚であることに 負い目を感じながら出会い系サイトの世 界にいた。
だからこんなコメントは マイナスの要素にこそなれ、プラスに作用することなど有り得ないと思っていたのだ。
ところが……。
どういうわけかこれが、喰い付きの確率こそさほどでもないのだが、会話に移った後でかなり美味しい目を見やすいコメントなんだということに気付かされたのだ。
つまりこのコメントを見てオンナたちは、大抵の場合、自分にも旦那なり彼氏なりがいるのにも関わらず会話をしにくる女だということなのだ。
つまり有り体に言えば、彼女たちはどこかで不倫を望んでいるのだ!
「エッチが好き」な28歳の人妻マコと違う約束にこぎつける
マコとは、そんなコメントを掲げている時に出逢った。
マコは28歳の人妻だった。
結婚歴は2年。
放任主義の旦那に不満を抱いているらしく、出会い系サイトにはかなり 頻繁に顔を出しているらしい。
彼女はノリのいい女で、話に興がのると、色々なことを簡単に教えてくれた。
これまで出会い系サイトで知り合った男と違った回数、そしてエッチした回数まで。気のあった相手としか盛り上がらないといっていたマコは、ラッキーなことにオレとの会話を楽しんでくれたようだ。
そしてそんな具合にエッチに関する話題が多くなれば、どうしてもお互い意識するものだ。
「エッチ好きなの?」といった、相手によっては致命傷にもなりかねないストレートな言葉も、屈託なく「うん好き」と答えるこの時のマコには、まったくマイナスに作用しなかった。
それどころか、雰囲気が妙な方向に……。
結局オレたちはその後、逢う約束までしてしまったのだった。
ハッキリ言うが、これは出会い系サイトだからこそできる技だ。
オレは何も特別な技を使ったわけでも何でもない。ただ相手のペースに合わせて会話を進めていただけなのだ。
恐らく、出会い系サイトという閉ざされた状態で話をすすめる男女は、いつの間にか、どちらからともなく妙に親しげな雰囲気を作り始めてしまうものなのだ。
要は、最初からメールを使ってお互いに囁き合っているかのような距離感が、そこには存在しているのだ。
そんな状態で自然にHの話が出ようものなら…。
後はまったく成り行きで、実際に会う約束までトントン拍子に進んでしまっても何ら不思議ではない。
出会い系サイトとはそういう世界なのだ。
初めての待ち合わせ
緊張するオレの前に彼女は現れた!
さて、マコとの待ち合わせだが、彼女にこちらの外見上の特徴を告げ、基本的には彼女の方から見つけてもらう形にしておいた。
こんな形で見ず知らずの女と会うのは初めてのオレ。
待ち合わせに臨みながら、いつになく緊張しているのが自分でもよく分かった。
本当にマコは来るんだろうか?
彼女との会話の感触から、騙されている印象はまったく持っていなかったのだが、さすがに待ち合わせ場所では多少不安になってきた。
だがマコはやってきた。
色白で、スッと通った鼻筋が目立つ美人系の面立ち。
さすがに誰が見ても美人だというレベルまではいかないが、もう少し何とかすればじゅうぶん「美人」としても通用しそうなタイプの女性だった。
実はオレは合コンでオンナをゲットした経験もない。
恐らくこのマコは、出会い系サイトではかなりの上級レベルにランクされる女性ではないだろう か。
落ち着いた物腰にも、まったくおかしなところはない。
それどころか、ややテレが入ったその態度は本当に清楚で可愛らしいものだった。
オレたちは喫茶店で会話をし、その後はまるで決まっていたかのようにホテルへと向かった……。
ホテルで訊いたマコの話では、彼女と旦那はもう1年ほどセックスレスの関係だという。
ありがちな話だなとは思ったが、「夫がまったく求めてこない原因が分からない」と言って沈んだ表情を見せる彼女を見ていると、とても愛
おしく感じ、抱きしめたくなった。
オレたちは自然にまかせ重なり合った・・・
ネットならできるお互い後に引きずらない一度切りの関係
ホテルを出て、駅に向かう。
オレたちはそこですっきりと別れた。
妻のあるオレは、関係が泥沼化することだけは避けたく思っていたので、こちらから彼女の連絡先を訊くこともしなかった。
彼女からもその後連絡はない。
マコの話では、これまで出会い系で知り合い、関係を持った男性3人のうち、ひとりとは定期的に違っているという。
彼女の好みのタイプなんだそうだ。
恐らく彼女は、そのオトコと今でも逢い引きを重ねているのだろう。
ネットナンパなどという代物は、まったく初めての経験だったオレでさえここまでできた。
ハッキリ言おう。
出会い系サイトの世界にはこんな出逢いが溢れているのだ。