
この仕事を始めたばっかりの頃、お店を辞めることになって寮を出なくちゃ行けないんだけどお金がないっていうときに、先輩が
「これで家借りな」
って言って、ポンと80万円貸してくれた。

できる子って、お客さんに愛されるだけじゃなくて同性からも愛されるし、周りの仲のいい子をすご覧く大切にする。

できる先輩ってそういうことをしてくれる。
成績がいいからナンバーワンじゃなくて、女の子に愛されるからナンバーワン。

前に働いていたお店で、オネ工系の美人なのにキャラクターで売っていた人がいた。
「お酒の締めにはみそ汁飲みたい」
とか言って場の雰囲気を壊す(笑)。
もちろん、メニューにはないけど指名たくさんとっているから出てくる。

あと、いわゆる「マクラ営業」っていって、ホストの常套手段なんだけど、お客さんと寝てしまうナンバーワンもいた。

キャバクラで「マクラ営業」している子ってあんまりいないんだよね。

でも、
「人気ってこうやってとるのか」
ってすごく学んだような気がする。
プロ意識っていうか。

他の子が対処できないようなお客さんが来ても、その子が来るだけでニッコリになる。
女としてすごいと思うよ。
やはり「ナンバーワン」 ただ者ではなかった

男なら、ナンバーワンキャバ嬢を落としてみたいと思うこともあるはず。
ナンバーワンキャバ嬢は、男性だけでなく、同性からも「憧れの人」である場合が多い。
しかも、その営業方法が確立されていて、若いキャバ嬢にとってはいいお手本になっている。
お金をポンと出してくれるナンバーワンもいれば、見た目とのギャップで人を笑わせる女の子もいたりする。

そんな中で、あまり歓迎されない営業スタイルが「マクラ営業」である。
つまり、客と寝ることで指名をとる方法だ。
キャバ嬢は疑似恋愛をしてナンボ、という仕事であり、寝てしまったら疑似恋愛とはいい難いのである。
しかも、寝てしまったら、客はそう何度も乗っては来ない。

客のほうが上手だったりするからだ。
とにかく、ナンバーワンはそうなるだけの実力と器を持っている。
正々堂々、戦っているのである。 男も見習いたいものだ。

いつも一緒に働いている女の子には本当に助けられてるな。
新宿でもう一度やり直そうと思って出て来て、ほんとは実家から通えるんだけど、それじゃ甘えが出ると思ったから、あえて家を借りたのね。

自分を追い込むため?

うん。
それに繁華街に住んで仕事に専念したら、プロ意識の勉強になるんじゃないかと思って。

でも、大変だったでしょ。

はじめは借金だらけ。
お客さんもいないし、家だって毛布一枚、布団もカーテンもなくて。
そんな時、先輩が私のことを
「面白い」
って言って、自分の席に呼んでくれて
「この子いろいろあって新宿に来たから何もないの。テレビくらい買ってあげない?」
ってお客さんに言ってくれたの。

で、テレビ買ってもらったの?

そうなの。
初めてあったお客さんなのに、薄型テレビとDVDプレーヤーを買ってもらった。
それをタクシーに詰め込んで家まで帰って。

新宿ってすごいよね。

この人たちは、なんでここまでできるんだろうって思った。
で、自分が上になったら下の子にはそうしてあげようって …。

大丈夫。
彩花ちゃん、ちゃんとできてるから。
意外と体育会系? キャバクラの先輩後輩

男でも裸一貫から仕事を始める、という奴は少ないんじゃなかろうか。
ホンネトークの女の子は、まさにそのとおり、なにもない状態からキャバ嬢を再開している。
果たして今どき女の子が、布団もカーテンもない家に一人で住もうと思うだろうか?
彼女は、本気なのである。
そしてまた、先輩にあたるキャバ嬢も、その本気を感じ取って先輩としてあたりまえのことをしたのである。
カッコいいじゃないか!
そういう客を持つキャバ嬢もスゴいし、それをサラッと言えることもスゴい。
もちろん、言われてすぐにテレビやDVDを買ってあげられる客もスゴい。
キャバクラの世界では、先輩が後輩を育てたり、かわいがったりということがあるようだ。
デキる先輩が後輩の面倒をみる。
今どきの職業にして、精神はかつての日本男児、という感じだろうか。
いずれに対しても、見習うところがあるのではないか。