「キャバ嬢を口説ける」「性奴隷にできる」など……
「デブ、チビ、ハゲの三重苦の僕が300人ものキャバ嬢を口説き落とした。そのノウハウを今ならたったの7980円で提供!」
モテない男たちに向けたキャバ嬢攻略情報商材が、インターネット上で数えきれないほど売られている。
「努力いらず」「初回か 2回目で必ずお持ち帰り」
などと調子のいい言葉が並び、この情報がどれだけ即効性のあるものかをアビ ール。
価格は4000~1万5000円と幅広く、 高くなるほど「出会って10分でキャバ嬢が言いなりになる」、「性奴隷にできる」などと派手なキャッチコピーが付く傾向がある。
怪しいことこの上ないが、誤解を恐れずに言えば、このような情報商材は使えないものではない。
しかし、値段ほどの価値がないことだけはたしかだ。
情報商材でキャバ嬢は口説けるけど「10日以内」は・・・
では、自信満々に「口説ける」と書かれたキャバ嬢攻略情報とは一体何なのか?
87,000円もする「10日以内にキャバ嬢を彼女にする方法」を購入した会社員・Nさん(51歳)の感想が攻略法の正体を物語っている。
「私が読んでまず思ったのが、たしかに口説けるかもなということ。ただ、すべて実現できればの話ですけどね。まずキャバ嬢好みの男に自分を改造し、カネも時間もかけて誠実に応対していけば、彼女も心を開くというごく当たり前の内容。間違ったことは言ってないですよね? でも、10日以内にそれをやるなんてのはムリ。もっと即効性のある裏技があるのかと思ったけど、やっぱりそんなうまい話はない」
キャバ嬢を簡単に口説けると書いておきながら、実はその手の情報商材は恋愛マニュアルをベースに舞台をキャバクラに変えただけに過ぎない場合が多い。
「清潔感のある服装」、「相手を褒めろ」、「マメに連絡しろ」などの基本的な恋愛テクニックをベースに、「指名替えするな」、「ドリンクは断るな」、「黒服にも敬語を使って誠実さをアビール」などのキャバクラならではの話を細かく織り交ぜ、いかにもな内容になっているのだ。
攻略法を販売する業者・U氏は。
「ぶっちゃけ中身に関しては、どれも同じ。情報販売者の肩書きは「元店長」や「元カリスマスカウト」だったりとバラエティに富んでいるけど、実際は専門のライターが書いているだけ。もちろん、彼はキャバ嬢を300人以上も口説き落としたことも性奴隷にした経験もありませんよ。ただ、モテるであろう理想の客に近づくための手順を書くのはうまいんです。それを理路整然とボキャブラリー豊富にテンポ良く書くから、購入者はなんとなく「これならキャバ嬢もイチコロだわ」と思ってしまう。いざ実現しようとしてもできないけどね(笑)。パチンコの必勝マニュアルと一緒ですよ」
販売業者がここまで真実を話すのは、「ネタバレしても売り上げには影響がないから」と豪語する。
「購入者の大半はリピーター。つまり、ひとつ買っても懲りずに同じような情報商材をいくつも買ってくれる。先日、攻略法の購入者に「キャバ嬢の口説き方講座」の参加チケットを販売したところ、9割の人が購入しましたからね」
キャバ嬢が教える「モテる客の共通点」
キャバ嬢サイドの意見も聞いておこう。
実際、複数の客と恋愛経験のある池袋のキャバ嬢・星亜 (25歳) に攻略法を読んでもらったところ、
「ハゲ、チビ、デブのルックス最悪の客と付き合ったことのあるコはいっぱいいるよ」
と、何やら嬉しい情報を教えてくれた上で、こう話す。
「ここに書いてあるような完璧なジェントルマンが店に来たら、「なんで来たの?」って不思議に思っちゃう。遊ぶための場所なのに、息抜きできてないじゃん。キャバ嬢ってダメ男が好きだったりするから、完璧な人が来ても惹かれないかも。あと「3日でキャバ嬢を性奴隷にする方法」って……。そんなのキャバ嬢とか関係なく、ムリって買う前に気づこうよ (笑)」
では、どんな客ならキャバ嬢は落ちるのか?
自身の経験談を元に分析してもらった。
「私は、無口なオラオラ系かな。指名するくせに何も喋らなかったり、ドリンクお願いしたら「カネないから水にして』みたいなこと言ったり。そんなつまらない人だけど、アフターで二人っきりになると積極的になる……。ギャップにヤラれてるのかも。客と付き合ったことのあるほかのキャバ嬢は「顔がタイプだったから」とか 「キスがうまかったから」、「趣味が一緒だったから」とかバラバラ。あっ、ひとつだけ共通点があった!それは、キャバクラがあまり好きじゃないってことだね」
キャバクラ通いをやめるのがキャバ嬢を口説く近道?
まるで禅問答のような世界である。